温泉・入浴なるほど話(入浴の注意事項)

1.かけ湯

 かけ湯は、体の汚れを落としてから入浴するマナーと思われがちですが、お湯の温度や温泉の刺激に体を慣らすための大切な意味もあるのです。手・足など心臓の遠くから肩に向かって「かけ湯」をしましょう。

 これで、入浴中の脳卒中、心臓発作が防げるのです。

 また、温泉の場合は刺激が強いので、いきなり体を夕オルとボディソープで洗わず、「かけ湯」で体の汚れを落とす程度にしましょう。(3.参照


2.頭の上にタオル

 夕オルを浴槽につけないために頭に夕オルをのせている人を見ますね。いかにも温泉らしい光景です。

 しかし、これには他にも意味があるのです。

 のぼせやすい場合は、頭を冷やすために、冷たい水をしみこませた夕オルを頭にのせるといいですよ。
 また、露天風呂は気持ちの良いものですが、冷たい外気と熱いお湯の温度差により血圧を急上昇させるので、この場合は、熱いお湯をしみこませた夕オルを頭にのせます。迷ったら「頭寒足熱」で冷たい夕オルがいいですよ。真夏の露天風呂では、冷たい夕オルが頭への直射日光を防く゛はたらきもあります。また、「かけ湯」の後に頭から「かぶり湯」をしてから入浴されることをおすすめします。この「かぶり湯」は、立ちくらみ防止にもなります。寒い日の露天風呂は特に温度差に注意しなければなりませんので、露天風呂に入る前に内風呂で温まるということも大切です。

 のぼせには冷たい夕オルを頭に、立ちくらみには熱い夕オルを頭に、迷ったら冷たい夕オルと覚えてください。

実際には・・・
 入浴中は体が水圧を受けることから血液が上半身(頭側)に集中しやすい ので、「のぼせ」になりやすく、浴槽から出るときに水圧から解放され、血液が下半身側に移動することから「立ちくらみ」しやすいのです。
 そこで、入浴中は頭に冷たい夕オルをのせ、入浴直前に冷たい水を注いだ桶に手をつけ、頭に熱い夕オルをのせながら、徐々に水圧から解放されるように上がるのがいいのです。

3.温泉の場合は体を手で洗う

 温泉には、肌の角質をとったり毛穴の汚れをとったりする効果があるものが多いです。特に、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉、アルカリ性単純泉はこの効果が高いです。

 この効果に加え、体をゴシゴシ夕オルでこするのは逆に肌をいためることになります。

 そこで、体はボディソープや石鹸を手で取りそのまま手で体を洗いましょう。

 入浴前に体を洗う人がいますが、温泉では「かけ湯」で温泉に体を慣らしつつ汚れを流す程度にして、まず入浴してください。角質が落ちやすい状態になり、体を刺激の少ない手で洗う状態をつくることができます。


4.湯上りに「あがり湯」をしない(「あがり湯」は湯ロの新鮮な温泉で)

 温泉からあがるときシャワーを浴びる人を見かけますが、これではせっかくの温泉成分が流されてしまいます。温泉は、3時間も皮膚からの浸透効果が持続するのです。

 どうせ「あがり湯」をするのであれば、温泉湯口から桶で温泉をとり、適温に冷ましてからお使いください。体を拭く夕オルもこのようにして桶にとった温泉につけてから絞つたものを使うといいでしょう。

 体を拭くときは、脱衣場でなく浴室内で拭きましょう。

 温泉達人にはバス夕オルは不要なのです!

※「酸性泉」「硫化水素泉(硫黄泉)」など刺激の強い温泉は普通のお湯で「あがり湯」をしてください。


5.入浴後用の水や麦茶は、入浴前にも

 入浴後に冷たい水や麦茶を飲んでいる光景をよく目にしますね。
 単純に喉が渇くから飲んでいる方が多いのでしょうが、これは、入浴による発汗で血液の粘度が上がり「ドロドロ血」になるのを防ぐ意味もあるのです。
 入浴後の水分補給も大切ですが、「ドロドロ血」を防止するために入浴前にも水分を摂りましょう。

 具体的には入浴前15分前までに水分補給をしておくと「サラサラ血」になりやすいです。

 水や麦茶の他にも、熱で失われやすいビ夕ミンCを含んだオレンジジュースやビ夕ミンC飲料、発汗で失われやすい成分を含んだスポーツ飲料などもおすすめです。


6.熱い湯は交感神経を刺激し覚醒化、ぬるい湯は副交感神経を刺激しりラックス

 朝は熱いお風呂(42℃以上)、寝る前はぬるいお風呂(40℃未満)がよいです。

 ただし、朝は血液粘度が高い「ドロドロ血」の状態なので、十分な水分補給が必須です。目覚め効果だけなら熱いシャワーでも十分です。


7.自宅での健康入浴法と温泉の楽しみ方は違う!?

【自宅での健康入浴】

  1. ぬるい湯(40℃以下)
  2. 半身浴
  3. 長湯(20分以上)

【温泉の楽しみ方】

  1. 日本人がもっとも気持ちよく感じるのは42℃
  2. 半身浴にこだわらず、無理のない程度に肩までつかる(かけ湯→足浴→半身浴→全身浴、浮遊浴)
  3. 分割浴(3分入浴 x3回)

8.入浴後15〜30分後が「心」が一番リラックス

入浴中は「体」がりラックスしやすい一方、「心」が一番リラックスしやすいのが、入浴中よりも入浴後なのです。
具体的には入浴後15〜30分後が一日の中でも一番リラックスしやすいのです。

この時間を利用し、スポーツのイメージトレーニングをしたり、仕事が成功するイメージづくりをしたり、勉強がはかどっているイメージづくりをすると成果があがりやすいと考えられます。

ちなみに、もつとも入浴でもっともりラックスしやすいのは、「深部体温(深層体温)が1℃上昇」(2℃以上上がると血小板が変形し、血栓の危険性が!)し、「心拍数の上昇が30以内」におさまる状態で、脳波が α波(アルファ波)になりやすいのです。

この状態をつくるお湯の温度と入浴時間は下記の通りです。

◎40℃→15分   ○41℃→10分   ○30℃→20分   △42℃→半身浴で5分

9.お茶とお茶菓子

温泉旅館で出されるお茶菓子とお茶はいついただくのがいいのでしょうか?

それは、ズバリ!入浴前です。食後に入浴すると消化不良を起こす可能性が高いので避けた方がいいのですが、かといって空腹の状態ですと貧血を起こしやすくなります。入浴による消費カロリー量は想像以上に大きいのです。

そこで、適度なカロリー補給という意味で糖分を含んだお茶菓子程度のものを食べるのは入浴の準備になります。

また、お茶は水分補給になりますし、一般的に用意されている緑茶は、湯あたりを防ぎやすくするビ夕ミンCを含んでいます。しかも、お茶は温かいので、体をあたため、「体の内側からかけ湯」をするようなものです。


10.入浴後のビ―ル

 お風呂もアルコール摂取も共に血行をよくするものですから、入浴後は30〜60分程度休憩してから飲酒をするのが理想的です。

 ところで、温泉地に行くとスケジユールの関係で、入浴後に食事時間になってしまうことが多いですね。
 入浴すると全身の血行がよくなる分、胃腸への血流量が減り、消化が鈍ります。特に熱い温泉の場合は、交感神経を刺激するので、さらに胃の動きを抑制します。

 つまり、入浴後は食事に適さない体の状態になっているのです。

 そこで、ビールの登場です!アルコール、炭酸ガス、苦味成分の3つが胃を刺激し、胃の動きを活発にさせるので、食事をするための準備が整います。
 そして、何といっても、湯上りのビールは美味しいですからね。

 なお、夏は汗をかくので尿の量が減り、ビールでプリン体を摂取するので痛風になりやすくなります。健康的にビールを飲むためにも、特に夏は水分をこまめに補給し、入浴により利尿効果を高めましょう。風呂の温熱効果と水圧効果で「ナトリウム利尿ホルモン」が刺激され、利尿効果が高まるのです。


11.湯治の極意

 1日の温泉入浴回数は1〜3回にしておきましょう。特に初日は1〜2回にすることをおすすめします。

 昔から、「湯治は、七日一回り、三回りを要す」と言います。そこで、こんな入浴をします。

1日目:1回の入浴
2日目:2回の入浴
3日目:3回の入浴
4日目:休息(不調部分に痛みがでてくるので入浴しない。もしくは軽い入浴)
5日目:3回の入浴
6日目:2回の入浴
7日目:1回の入浴

 これを3回繰り返す(3週間)のが理想的です。

 温泉に入り3〜4日後から1週間程度で体がだるくなるなどの「湯あたり」という症状があらわれることがあります。

 これは単純にその温泉が体に合わない場合と体が良くなる過程で一時的な不調になる「好転反応」の場合があります。湯あたりになったら、1日温泉入浴を休んでみて回復すれば、「好転反応」ということになります。

 湯あたりを起こしやすい泉質として「酸性泉」「硫黄泉」「放射能泉」があります。
 逆に「単純温泉」「二酸化炭素泉」は湯あたりになりにくいです。

 湯あたりを防ぐにはビ夕ミンCの補給が有効です。


12.「入浴週間」か「入浴習慣」をつくりましょう!

 湯治の場合は、2〜3週間程度連続で入浴したいものです。

 ただし、これだけの時間をまとめてとれる人は少ないですね。そこで、週1回の温泉入浴を3〜6ケ月続けることも連続入浴に準ずる効果を生むことから、曜日を決めて温泉地に出かけるのも方法の一つです。(できれば週2回の温泉入浴をすれば、効果は飛躍的に高まります)

 なお、1泊2日での入浴でも免疫力が高まることが実証されており(※)、温泉の効能のみならず、「転地効果」などの効果があることから、目的を明確にした入浴法をしたいものです。

※1泊2日で、20分の入浴を3回おこなったことにより、白血球や白血球に含まれている好中球の数が適正値に近づいたという実験デー夕があります。これは免疫力が高まったことを示します。

  1. 本来の温泉療養効果を得るために、1〜3週間(できれば2週間以上)泊り込んでの連続療養。【温泉週間】
  2. まとめて時間がとれない場合は、週に1回の入浴を3〜6ケ月続ける。【温泉習慣】
  3. 本格的な温泉療養のための時間がとれなければ、1泊2日の温泉旅行により、「転地効果」を中心としたりラックス効果を得る。【転地効果】

温泉ソムリエの入浴五か条

その一 「入浴前後に1杯ずつの水を飲むべし!」
入浴すると発汗により血液粘度が高まり、「ドロドロ血」の状態になります。
入浴後だけでなく、入浴前にも水分補給するのがポイントです。
その二 「入浴前には、足先など心臓の遠くから順に十分な「かけ湯」をすべし!」
「かけ湯」は、体の汚れを落としてから入浴するというマナーだけではありません。
温泉の泉質や温度に慣らすためのものです。
足先など心臓の遠くから順に十分な「かけ湯」をしていきましょう。
その三 「立ちくらみ防止、のぼせ防止には頭に夕オルをのせるべし!」
立ちくらみは、全身の血の巡りがよくなる分、頭の血流量が減る状態なので、熱いお湯をしみこませた夕オルで頭の血管を開きましょう。のぼせは、頭に血がのぼった“オーバーヒート状態”なので、逆に冷たい水をしみこませた夕オルをのせましょう。
迷ったら冷たい夕オルがいいでしょう。「頭寒足熱」の状態が理想ですので。
特に入浴中は水圧により血液が頭側に集中しやすいので、冷たい夕オルがおすすめです。
その四 「一気に長湯せず、「分割浴」をすべし!」
短い入浴と浴槽から出て休憩することを繰り返すのが「分割浴」です。
例えば、「3分入浴して休憩、また入浴」を3回繰り返すと9分間入浴することになります。
しかし、一気に10分間入浴するよりも9分間の「分割浴」の方が湯冷めしにくいのです。
その五 「疲労回復には、膝下の「温冷交互浴」が有効なり!」
膝下にお湯をかけること3分、水をかけること1分、これを3〜5回ほど繰り返すと、末梢血管が広がり、乳酸などの疲労物質が排泄されやすくなります。
疲れを回復させる効果は抜群です。
なお、心臓に負担をかけないために「膝下」としておりますが、水のみ膝下にし、お湯3分は普通の入浴でもかまいません。

●「立ちくらみ防止、のぼせ防止には頭にタオルをのせるべし!」
しかし、実際には、入浴中にのばせ、上がる時に立ちくらみを起こしやすいという方が多いので…

★入浴時には頭には冷たいタオルを!そして、入浴するときも、上がるときも、ゆっくりと!

入浴時は、水圧・温度・温泉の刺激ヘ負担を軽くするために、「足浴→半身浴→全身浴」の順でゆっくり入浴しましょう。
お風呂から上がる時は、水圧から解放され、体の表面やより下半身側に血液が移動するので、脳貧血を起こしやすいのです。そこで、入浴する際の逆で、「全身浴→半身浴→足浴→ゆっくり立ち上がる」という流れをつくりましょう!
特に、急に立ち上がらずに、足浴でゆっくりと腰掛けてから立ち上がることが大切です。

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